スプリンターズS回顧

1着 △アストンマーチャン (01 - 01)
2着 ○サンアディユ (03 - 02)
3着 ◎アイルラヴァゲイン (02 - 02)
■通過タイム
12.0 - 10.3 - 10.8 - 11.1 - 12.0 - 13.2
12.0 - 22.3 - 33.1 - 44.2 - 56.2 - 69.4

総評

上位3頭だけは先行勢、あとは後方待機の馬が上位進出しているレース。
単に「行った行った」のレースに見えるが、道中のラップは決して先行有利とは思えない厳しいもの。
速い流れの中を粘った上位3頭、実は見た目よりも強い競馬をしたのかもしれない。


枠順の差もあったように思える。
アストンは好スタートからの逃げ、アイラヴァは最内から早仕掛けと、
それぞれ自分の競馬に徹することができた。
その一方で、キングスやサンアディユは結果的に直線で外に回されてしまった。
もう少し内でロスの無い競馬が出来ていたら…?

上位馬、人気馬評

アストンマーチャン、圧巻の逃げ切り劇。
前半33.1秒の驚異的なラップを見せながらも最後までよく踏ん張った。
3歳牝馬ながらここまで強いとは…。
今年の桜花賞組は後のダービー、NHKマイルCスプリンターズSの勝ち馬がいるからすげー世代だ。


2着サンアディユも頑張った。
早めに仕掛けたアストン、アイラヴァを追う形で直線猛追。
惜しくも勝ち馬には届かず2着で終わったが、馬場適性の差もあったんだろう。
今後のスプリント路線の主役になる予感を抱かせるナイスランだった。


3着アイラヴァは外国馬にありがちな先行力と馬力でねじ伏せるパワー系スプリンター。
そういうタイプだけに良馬場のほうが良かったかも。
この中山1200mのGIこそ最大の適鞍だっただけに残念だ。
それでも逃げ馬を早仕掛けで負かしに行って3着なのは立派である。
とりあえず3月までにまた賞金稼がないとね。


2番人気のスズカフェニックスは9着止まり。
12番手待機から直線臨むも
不良馬場ではあのデュランダルでさえ早めに仕掛けたってのに、
スズカは後方待機のまま、完全に消化不良で終了。
インフルの影響で移動が遅れたっていう体調不完全説、ぶっちゃけ叩き台説
実は弱い説、ユタカのため殺し説などなど、
まぁ色々言えるんだろうが、春の王者だけにもうちょい上位に食い込んで欲しかった。

今後の展望

1着〜4着までの馬が初のスプリントGI戦であった。
低迷気味だったスプリント界の勢力図が一気に動いたと言える一戦だ。


特に2着のサンアディユはこんな悪い馬場でも上位に来てしまう辺りにGI馬並の底力を感じる。
もちろん勝ったアストンマーチャンもまだまだ短距離で底を見せてない。
この2頭の牝馬が短距離界を引っ張ってくれれば面白い。


しかもどちらもマイルは長そうなタイプ。
スピードまかせのいかにもスプリンターらしいスプリンターだ。
こういう強い純スプリンターが出てくるのは久々で、
最近ありがちだったマイラーのスプリント戦台頭もようやく減るだろう。


アストンはさっそく香港スプリントに使うみたいで、どうなるか期待して見ておきたい。
馬場と展開だけで勝った馬とは言われないように、今後も実績を重ねて欲しい。


さて、今回のスプリンターズSとは逆に、キレやスピードのある瞬発力タイプが生きるのが宮記念。
サンアディユなんかはタイレコードを出すような馬だし、宮記念はバッチリのような。
スピードが有り余ってるアストンなんかも合いそうなコース。
一方、馬力で勝負するタイプのアイラヴァには厳しいか。